繰り返し

彫刻もやりつつ、平行して水彩をずっと練習しています。

 

透明水彩絵の具というものと、それで描かれた絵を高校生のとき知ってから、

ずっと「使いこなせるようになりたい!描けるようになりたい!」と思って憧れて

きました。高校生の時に知ったとはいえ、私の受けた学科には水彩の受験内容はなかった

ので、予備校で毎日毎日やるのは鉛筆デッサン、紙立体、平面構成、というデザイン科

独特のものでした。

水彩に憧れながら描けないことが悔しくて、大学に入ったら恐る恐る描いてみたりして、

当然、思うように描けないから筆をすぐ投げました。そんなことを繰り返し、当分

絵の具は放ったらかしのままで、毎日使って練習するようになったのはここ最近です。

 

絵の具の色数を増やしてみたり、人の作品をじーっと見たり、混色のことを勉強したり

しながらひたすら描いていますが、なかなか難しくてため息が出る毎日です。

かっこいいと思う作品は、勢いがこっちに伝わってくるほど強く、ずごい速さで描いて

いるんだろうなぁと思いながら、それを試してみたら、思うように描けずにいちいち

躊躇してしまうので変な勢いになってしまいました。

 

漫画家の浦沢直樹が、以前テレビで、「脳と描く手が直接繋がったような感覚で描ける

時がある」というような事を話していたのをすごく覚えています。私もそうなりたいと、

そんな境地にすごく憧れました。

高校時代に毎日毎日繰り返し描いた鉛筆デッサンは(まだまだ未熟なのはよく分かって

いますが…)少しだけ、もどかしい思いをせずに描けるようになってきた!と思う瞬間

がありました。

脳と、筆を持つ手が、直接繋がるような感覚を早く体験してみたいと

心の底から思っています。そうなるには、何回も何回も描かないとダメで、気持ちは焦る

ばかりですが、コツコツ繰り返すのだ、と自分に言い聞かせています。

 

この1枚の紙を無駄にするなよと、私を緊張させる真っ白の紙が部屋に控えています。

                                     pm 5:47